研究者の社会的使命は、学術研究の発展に貢献することです。研究者にとって学術論文や学術書(以下「学術論文等」)で研究成果を発表することは、代表的な、そして最も大切な責務とっても過言ではありません。そして、この研究成果の普及と批判的な考察において重要な役割を担っているのが学術論文や学術書です。学術論文等の出版により研究成果は広く社会に還元され、同時に専門家による批判的考察が行われます。学術論文等について考えることは、責任ある研究のあり方について考えることでもあります。
上記のような認識のもと研究・イノベーション学会「大学経営研究懇談会」では定期的に大学が出版機能を担う意義について考えてまいります。第1回目は、商業雑誌である「一橋ビジネスレビュー」を題材にして
・学術研究の社会還元のあり方
・学術コミュニケーションのコスト、ベネフット、アウトカム
・大学の果たすべき役割
について参加者とディスカッションできることを楽しみにしております。
1.開催日時
2023/2/3(金) 18:30‐19:30 オンライン開催
2.講演者
吉岡(小林)徹 氏
一橋大学大学院経営管理研究科 経営管理専攻 専任講師
一橋大学イノベーション研究センター 専任講師
3. 参加申込
次の入力フォームに必要事項をご入力ください。(参加費:無料)
4.問い合わせ先
研究・イノベーション学会 大学経営研究懇談会 幹事
原田 隆 harada-takashi@tokodai01.onmicrosoft.com
大学が、学術研究の「中心となる場」として機能してきたことは、社会の共通認識であり今後も期待されています。そうした「場」としてこれまで大学は、時には出版社との協力のもと、大学紀要、機関誌、研究叢書、ワーキングペーパー、ディスカッションペーパーなどの媒体を提供し、出版機能も担ってまいりました。しかし、近年、学術分野にも及んだグローバル競争の激化、イノベーションへの貢献や安全保障上の新たなリスクへの対応への期待など、大学をめぐる状況は急変しています。日本の大学はこれらに加え運営費交付金の減少や少子化による財政問題にも直面しており、大学の出版機能について再考する時期と考え、本懇談会では、大学が出版機能を担う意義について継続して考えていくことにいたしました。大学の置かれた状況や大学を取り巻くステークホルダーの期待が変化する中、大学は「何を変えるべきか」、「何を変えてはいけないのか」、そして「新たに何をするべきか」という問いについて今後も取り組んでまいります。
共催:紀要編集者ネットワーク
https://kiyo.cseas.kyoto-u.ac.jp
謝辞
本研究会は次の支援を受けております。
科研費 若手研究(研究代表者:新潟大学 白川展之准教授)
「大学評価への計量書誌指標の導入のもたらす社会科学研究への逆機能性に関する研究」(19K14279、期間:2019.04.01–2023.03.31)
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